2013年8月25日日曜日

ドゥエンデenグラナダ

グラナダの世界遺産アルハンブラ。
イスラム時代の宮殿や城塞をめぐって
最後にたどりつくヘネラリフェ。
庭の真ん中の長細い池に両側からアーチ状にそそがれる水。
誰もがどこかで一度は目にした景色だろう。
そのヘネラリフェ庭園にむかう道の右側にあるのが
ヘネラリフェ野外劇場。
糸杉の木をバックとしたこの劇場は
毎年6月から7月に行われる、
グラナダ国際音楽舞踊祭の会場のひとつでもあるが
数年前から毎夏、行われている
「ロルカとグラナダ」公演の舞台でもある。

これまでにアンダルシア舞踊団「血の婚礼」
クリスティーナ・オヨス舞踊団「イエルマ」など
数々の公演が行われてきた「ロルカとグラナダ」
今年は公募となり選ばれたのが
ラ・モネータとマヌエル・リニャン、
グラナダ生まれの二人の若きダンサーによる
「ドゥエンデ」だ。

歌い手5人、ギタリスト3人にパーカション
群舞に男女各5人。
そしてゲストにハビエル・ラトーレ/ローラ・グレコ
というメンバーがみせてくれた「ドゥエンデ」
ロルカとマヌエル・ファリャ、そしてエンリケ・モレンテへのオマージュということで
まさにもりだくさん。

開演前から稽古姿のダンサーたちが舞台に集まり
ロルカとファリャゆかりの
1922年のカンテホンドのコンクールのイメージだろう
ソレアのカンテソロから始まる。
ご当地カンテのグラナイーナはロルカの歌詞で。
そしてグラナダの洞窟ふらめんこ、サンブラのイメージで
ファンダンゴ・デ・グラナダ。
続く「ロメリア」はロルカ「イエルマ」を歌ったエンリケの曲だ。
モネータがイエルマを、リニャンがその夫を踊る。
この二人がドラマ作品を踊ったところをみたことはなかったが
演技力、表現力もしっかりあるのに目を見張る。
これだけでひとつの作品になりそうだ。
そう、それぞれのソロを加えて、などと考える。

グラナダ出身のベテランロック歌手ミゲル・リオスの朗読、
ルイス・マリアーノのギターで
ロルカの詩「ラ・ギターラ」。
それをマルカールしていくハビエル・ラトーレ。
そのゆっくりとした動き、重みのある動き。
続くタラント!
ほとんど動かないようなマルカへ。
それがどれだけすごいことか。
回転、そして手や腕の動きの詩的な美しさ。
めいっぱい動きをつめこむ若いダンサーたちには決してみられない、
余白がたっぷりしたバイレ。
語りかけて来る。
オレ!オレ!イ・オレ!

マヌエル・ファリャ「恋は魔術師」の火祭りの踊りはモネータ振付け。

マントンをもった女性の群舞でみせ
リニャンのシギリージャ。
そのかたちの美しさ。
複雑なサパテアードの
まさしく今、このときの踊りでありながら、
古の踊り手たちの姿がそこにある。
オレ!
男性舞踊の粋!

モネータのソレアはマヌエラ・カラスコを思い出させる
テンペラメントで。
リニャン振付けのタンゴは複雑な動き。

2時間近い舞台だが飽きずにみられたのは収穫。
が劇場の舞台にあげるには
整理も必要かもしれない。


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