2011年3月10日木曜日

ヘレス・フェスティバル13 ベレン・マジャ「トレス」

ベレン・マジャの公演「トレス」
小劇場サラ・ラ・コンパニアで。

トレス、3というタイトルは
バイレのベレン
カンテのヘスース・メンデス
ギターのラファエル・ロドリゲス
という出演者が3人だけというところから。
実際はこれにパルマとバイレのフェリペ・マトが加わり4人だが。

3人だけの舞台というとまっさきに思い浮かぶのは
イスラエル・ガルバン「エダ・デ・オロ」
故フェルナンド・テレモート、アルフレド・ラゴスとの三人舞台の
初演もこのコンパニアでだった。
パルマの関係もあってか
複数の歌い手をつかうのが普通
パーカッションなども含めた多数のミュージシャンを
バックにすることも多いので
この3人だけの舞台は新鮮だった。
絶妙なからみ具合で
カンテもギターもそれぞれに主役をつとめる。
フアン・デ・フアンやカルメン・コルテスも三人舞台をつくったことがある。


ベレンの舞台は
ヘスースの歌うサンブラではじまった。
父方の祖母がパケーラの母と姉妹というこの若手カンタオールは
パケーラゆずりのボリュームのある声で朗々と歌い上げる。
そこに白のバタ・デ・コーラを手にもったワンピース姿のベレンが登場
ラファエルのどこか哀愁にみちたギターの調べを
アルゼンチン・タンゴ風のパソで踊る。
写真; Javier Fergo

フェリペ・マトによるパルマとサパテアードのイントロのあと
アレグリアス。

写真;Javier Fergo

カンテソロなのにラファエルのギターはシレンシオを奏でる。
そこにベレンが入りエスコビージャ
父マリオ譲りのパソを少しみせる。

カンテソロのソレア
机をたたいてのファンダンゴ
ギターソロでタンゴがはじまるとやがてそこにカンテやバイレも加わる。
タンゴは速度を落としティエントへ
そしてタラントへと姿を変える
ギターなしで歌のみのタラントを踊る

写真;Javier Fergo

カルタへネーラのカンテソロ

ブレリア
シギリージャのギターソロに足をいれたかと思うと
カンテでロマンセ
再びシギリージャ
踊りのリズミックなシギリージャだ

白いバタ・デ・コーラに着替えたベレンのソレア。
緑色のマントンさばきにちょっとひやひや
重さがたりない? 大きさの問題?

写真: Javier Fergo

まったくスタイルの違う三人
その絡みの面白さよりも
違和感の方が印象に残ったのは残念。
なんかばらばらな印象なのだ。
ベレンもいつもの輝きがないという感じ。
疲れていたのかな
それとも期待しすぎた私が悪いのかも。
 ベレンの名誉のために付け加えると
当日の新聞評はよく
舞台の印象というのは本当に人それぞれだ。


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