2010年12月31日金曜日

Adios 2010!

大晦日。
2010年はフラメンコにとってどんな年だったんだろうか。
と考えてみる。

2月にフェルナンド・テレモートが
3月にラファエル・エル・ネグロが
6月にセビージャの歌い手、ルイス・カバジェーロが
11月にマリオ・パチェーコが
12月はエンリケ・モレンテが
天に召された。
病から驚異的な回復をみせていたフェルナンドと
この夏もすばらしいカンテをきかせてくれていたエンリケの死は
フラメンコ界にとくに大きなショックを与えた。


不況の影響をうけて
フェスティバルの規模が縮小されるなどフラメンコ自体の現況は
決して恵まれた状態ではない。
CDやDVDのリリースもかなり減ったし
公演数自体も減っているようだ。

そんな中でもロンドロ、トレメンディータなどCDデビューを果たした若手たちもいれば
世界を舞台に活躍するイスラエル・ガルバン、
スペイン歌謡を歌ったアルバムで一躍全国区の人気をえたミゲル・ポベーダら
気を吐くフラメンコたちもいる。



うれしいニュースはユネスコによる世界無形文化遺産認定だろう。
過去に一度否決されているだけによろこびもひとしお。
これをあしがかりに

2011年がフラメンコにとって素晴らしい年となりますように。

2010年12月27日月曜日

ロシオ・モリーナのクルシージョen セビージャ

1月10日から14日までの5日間
セビージャはトリアーナにあるマヌエル・ベタンソスのスタジオ
ロシオ・モリーナのクルシージョが開催されます。

ロシオ・モリーナといえば、今、最も“熱い”バイラオーラ。
ふだんはマドリードに住んでいるのでセビージャでのクラスは貴重です。
12時から13時が中級、13時から14時が上級。

なお、通常クラスは現在クリスマス休暇中。

2010年12月24日金曜日

イスラエル・ガルバンの黄金時代


いやあ、もうほんとうに。
これで心置きなく年末を迎えられる、っていう、
最高に素晴らしいフィン・デ・フィエスタ・デル・アーニョでございました。

前日、記者会見で話していたように
アルカンヘルが歌うと全体の雰囲気はがらりと変わった。
より洗練された感じ、というか、
つきぬけるような高い空のような明るさ、光あふれる感じ。

バイレ、カンテ、ギター。
それぞれにみせどころがあり
それぞれが組み合わさり
最強のフラメンコをみせる。
これぞフラメンコの醍醐味!



最後はアルカンヘルがギターを弾き
イスラエルが歌い
アルフレドが踊る

イスラエルが弾き
アルフレドが歌い
アルカンヘルが踊る

フラメンコってまんまるなもんなんだね。

それにしてもイスラエル。
いつものこととはいいながら
あの呼吸! あの間合い。
テクニックもさることながら、あの呼吸は世界最高。
ところどころにユーモアも感じさせ
いやいや本当に楽しく素晴らしいフラメンコをありがとう!

2010年12月23日木曜日

イスラエル・ガルバンとアルカンヘル

22日水曜日朝、豪雨の中、木曜日の、
カハソルのフエベス・フラメンコスの記者会見が行われた。
セビージャの毎週木曜日のフラメンコ公演、
2010年最後を飾るのはイスラエル・ガルバン。

当初はソロ、独り舞台という話もあったようだが
いろいろあって「エダ・デ・オロ」に。
ヘレスのフェスティバル(サラ・コンパニアでだった!)
での初演以来、すでに世界各国で150回も公演している作品だが、
構成は変わらなくとも、中身は成長してきている作品だ。
歌い手とギタリスト、踊り手。3人だけの舞台。
今年2月に亡くなったテレモートが初演した歌い手を
ダビ・ラゴスが引き継いでいたが、
今回はアルカンヘルが歌う。
「歌い手は作品の33パーセントを担っている訳だから
全く違う作品のようになると思うよ」とイスラエル。


二人の話は自然とエンリケ・モレンテの話になる。
エンリケが開いた道があったから
彼らも“自由”な表現ができるのだという話。
エンリケがイスラエルをセビージャに観に来た話。
エンリケはイスラエルの「アレーナ」にビデオで出演しているのだが一銭もとらなかった話。
イスラエルもエンリケによばれると飛んで行った話。
思い出はつきない。。。

やりたいことをやりたいようにやるのだという。
「プーロ(純粋)であるということは自分自身であるということなんだ」

イスラエルはいう。
「僕はフラメンコだよ。外国で公演するとよけいにそう思う。
コンテンポラリーのすごい人はたくさんいる。
僕に拍手してくれるのは僕がフラメンコだからだ。」
新作をスイスで初演したばかりの彼の言葉に重みがある。
「新作をつくるときは全部ゼロからつくるんだ」




コーヒーとクリスマスの伝統菓子、ポルボロンをつまみながら話ははずむ。

「僕らがフラメンコを生きた最後の世代かも。。。」
との話に、ん?
「僕は小さい頃夜はタブラオ、ラ・トローチャの楽屋にいつもいたんだ」とイスラエル。
「たくさんのフラメンコを観た。フラメンコだけじゃなくグラン・シモン(漫談)やなんかもね」
「僕は8歳頃からペーニャのコンクールに行ってた。わからないながらも大人たちのフラメンコの話を必死になってきいていた」とアルカンヘル。
「うちの子はマイケル・ジャクソンに夢中でファンダンゴなんて知らないよ」


うわわ。若手だと思ってた彼らが、ベテラン的発言。
いやま、考えてみれば今や彼らがフラメンコの中心的存在なんだ。
こどものときからフラメンコの中で育って来た彼ら。
今や、youtubeなどで昔のビデオは観放題。情報量は圧倒的に増えている。
でもそこに足りないのは“ビベンシア”、生きること。
共に過ごす時間。フラメンコと(に、で、を)生きる時間。
ミゲル・ポベーダがフィエスタのためにヘレスに旅し
フラメンコの風景を探してセビージャに移住したように、
フラメンコと(に、で、を)生きる時間は彼らのフラメンコを豊かにする。
違うかな。

「昔もいっしょにやったよね」とアルカンヘル。
「うん。ビエナルだったかな」とイスラエル。
「ポル・アキ・テ・キエロ・ベール」のマドリード公演で一緒にやっていたのを
私は覚えている。故マノロ・ソレールの作品。
イスラエルの中には父ホセ、マリオとともにいつも生きている。


岡本太郎の「今日の芸術」(光文社知恵の森文庫)に
「すぐれた芸術家は、はげしい意思と決意をもって、規制の常識を否定し、時代を新しく創造して行きます。それは、芸術家がいあまでの自分自身を切りすて、のり越えて、おそろしい道の世界に、おのれを賭けて行った成果なのです」
とあり、それはそのまま、イスラエルやエンリケやアルカンヘルの姿を彷彿とさせる。



明日の「エダ・デ・オロ」はエンリケとテレモートに捧げられる、
なによりのオマージュとなることだろう。




ちなみに来年のフエベス・フラメンコスの予定は未定。
春頃からになるかも?

2010年12月21日火曜日

ミゲル・ポベーダの



ミゲル・ポベーダが、先週、バルセロナで行われたリサイタルで
エンリケ・モレンテに捧げて歌っている様子がyoutubeでアップされていました。

ミゲルのエンリケへの深い敬愛.

なお

グラナダ市はサクロモンテにある、ラ・チュンベーラに
エンリケ・モレンテの名をつけると発表。
またビエナルも開催予定という。

アンダルシア自治政府とグラナダ県もエンリケに捧げる催しを遺族に申し出ているという。

トルタ、ラファエル・リケーニenマドリード

フアン・モネオ“エル・トルタ”のリサイタル、
ラファエル・リケーニがマドリードでギターソロの
コンサートが開催されます。
場所は地下鉄ビルバオ駅そばのライブハウス、クラモーレス


1/17(月)21時30分
[出]〈c〉フアン・モネオ“エル・トルタ”
1/27(木)21時30分
[出]〈g〉ラファエル・リケーニ
[場]マドリード サラ・クラモーレス

12月はカプージョが出演したこの場所。
フラメンコ・ファンにはあまりおなじみではないかもしれませんが
フラメンコ公演もたまに行われています。

2010年12月20日月曜日

エンリケのこと

が頭から離れない。
マドリードでは、エンリケを知る人々と思いを共有し
何年も会っていない人たちと会えたりもし
(ヘラルド・ヌニェスがそれを、フェイスブックのよりも前に彼は
ネットワークをつくっていたのだ、と書いていた)
ある意味、エンリケが主宰するフィエスタのようでもあり
エンリケといっしょにいるかのような気持ちになって
悲しみ、寂しさとともにある意味落ち着いた気持ちに少しなれたのだけど


フラメンコワールドのシルビアと話していて気がついた。
私はエンリケにインタビューしたことがない。

最初にライブを観たのはマドリード。
カハ・マドリードのフェスティバルではなかったか。
こうくればこうくるだろうという予想を裏切るメロディに
抵抗を覚え、これもフラメンコ?と頭の中がクエスチョンマークで一杯になった。

そうエンリケはフラメンコの古典に学びつつ
それを解体し、新しい古典をつくりあげた。
岡本太郎が芸術は壊しつくるものといったが
その意味で彼は本物のアルティスタだ。
パコ・デ・ルシアやイスラエル・ガルバンとともに。

初めて話したのは最新盤「モレンテ+フラメンコ」の1曲目を録音した、
グラナダはアルハンブラでのコンサートだった。
ビエナルの「オスクーラス」の楽屋。
映画「フラメンコ」の撮影現場。
コンサート。打ち上げ。フェスティバル。
それから思い出せないくらい何度も会ってきた。
いつでもにこやかで、とりとめもない話をして笑っていた。
私の親友が彼の親友であり、
エストレージャのビエナルでのリサイタルを一緒にみたこともある。
父として、プロデューサーとして、先輩として
舞台を見守るエンリケの真剣な顔も忘れられない。

最後に会ったのは今夏のラ・ウニオンのフェスティバル。
コンサートの後、会場外のカセータで一緒にのんだ。
そのコンサートはリケーニも伴奏していたのだけど
なぜ病み上がりでかってのようには指も動かない彼をつかうかという話になって
エンリケがいった。
「でも瞬間、すごい音を出すだろう、あれだけで十分だよ」
うわっ、と思った。
というのはその日のコンサートでリケーニが、
エンリケの歌にこたえて
それこそ、うわっとうなりたくなるような音をきかせたのだ。
あ、あの音!と思わず口走った私と目があったとき
ちょっと驚いたような顔をしたあと、
うん、とうなずき、微笑んだ。

いろいろと聞きたかったこともあるけれど
言葉にならないいろんなものを彼のカンテにもらったような気もする。

2010年12月18日土曜日

北スペインのフラメンコ

毎冬恒例、北スペインをまわるフラメンコ公演、
ヒラ・フラメンカ・デル・ノルテ2011が今年も開催される。
プログラムは以下の通り。

1/14(金)「ホンド・イ・ポエシア」
〔出〕<c>カルメン・リナーレス、<g>ペドロ・バラガン、エドゥアルド・パチェーコ
〔場〕マドリード圏リーバス・バシアマドリード ピラール・バルデン劇場
1/28(金)22時
〔出〕<c>ドゥケンデ、<g>チクエロ
2/25(金)22時
〔出〕<c>マリアーナ・デ・カディス、<g> アントニオ・カリオン
3/11(金)22時
〔出〕<c>カンカニージャ・デ・マラガ、<g>アントニオ・モジャ
〔場〕 マドリード圏リーバス・バシアマドリード フェデリコ・ガルシア・ロルカ文化センター
〔問〕http://www.rivas-vaciamadrid.org/


1/22(土)22時30分「ホンド・イ・ポエシア」
〔出〕<c>カルメン・リナーレス、<g>ペドロ・バラガン、エドゥアルド・パチェーコ
4/9(土)22時30分「ダンサオラ」
〔出〕 <b>ロシオ・モリーナ

〔場〕ブルゴス プリンシパル劇場
1/29(土)22時30分 〔出〕<c>ドゥケンデ、<g>チクエロ
2/12(土) 22時30分
〔出〕<c>パンセキート、<g>マヌエル・パリージャ

2/26(土)22時30分
〔出〕<c>マリアーナ・デ・カディス、<g> アントニオ・カリオン
3/12(土)22時30分
〔出〕<c>カンカニージャ・デ・マラガ、<g>アントニオ・モジャ
3/26(土)22時30分
〔出〕<c>ダビ・ラゴス、<g>マヌエル・バレンシア 〔場〕ブルゴス プリンシパル劇場サラ・ポリソン

〔問〕http://www.aytoburgos.es



1/20(木)22時「ホンド・イ・ポエシア」
〔出〕<c>カルメン・リナーレス、<g>ペドロ・バラガン、エドゥアルド・パチェーコ
4/7(木)22時「ダンサオラ」
〔出〕 <b>ロシオ・モリーナ

〔場〕ログローニョ ブレトン劇場
2/3(木)22時 〔出〕<c>ドゥケンデ、<g>チクエロ
2/17(木) 22時30分
〔出〕<c>パンセキート、<g>マヌエル・パリージャ

3/3(木)22時
〔出〕<c>マリアーナ・デ・カディス、<g> アントニオ・カリオン
3/17(木)22時
〔出〕<c>カンカニージャ・デ・マラガ、<g>アントニオ・モジャ
3/31(木)22時
〔出〕<c>ダビ・ラゴス、<g>マヌエル・バレンシア 〔場〕ログローニョ ブレトン劇場サロン・デ・コルムナス
〔問〕http://www.teatrobreton.org/

1/21(金)20時「ホンド・イ・ポエシア」
〔出〕<c>カルメン・リナーレス、<g>ペドロ・バラガン、エドゥアルド・パチェーコ
4/8(金)20時「ダンサオラ」
〔出〕 <b>ロシオ・モリーナ

〔場〕バラカルド バラカルド劇場
2/4(金)23時 〔出〕<c>ドゥケンデ、<g>チクエロ
2/18(金) 23時
〔出〕<c>パンセキート、<g>マヌエル・パリージャ

3/4(金)23時
〔出〕<c>マリアーナ・デ・カディス、<g> アントニオ・カリオン
3/18(金)23時
〔出〕<c>カンカニージャ・デ・マラガ、<g>アントニオ・モジャ
4/1(金)23時
〔出〕<c>ダビ・ラゴス、<g>マヌエル・バレンシア 〔場〕バラカルド バラカルド劇場サラⅡ
〔問〕http://www.teatrobarakaldo.com

2/5(土)20時30分
〔出〕<c>ドゥケンデ、<g>チクエロ
2/19(土) 20時30分
〔出〕<c>パンセキート、<g>マヌエル・パリージャ

3/5(土)20時30分
〔出〕<c>マリアーナ・デ・カディス、<g> アントニオ・カリオン
3/19(土)20時30分
〔出〕<c>カンカニージャ・デ・マラガ、<g>アントニオ・モジャ
4/1(土)20時30分
〔出〕<c>ダビ・ラゴス、<g>マヌエル・バレンシア 〔場〕ビトリア・ガステイス エゴアルデ市民センター
〔問〕http://www.vitoria-gasteiz.org

2010年12月17日金曜日

フエベス・フラメンコス「ダビ・ラゴスとメルチョーラ・オルテガ」



(写真 Remedios Málvarez)

セビージャの木曜恒例フエベス・フラメンコスも
いよいよ来週のイスラエル・ガルバンを残すのみ。
16日はメルチョーラ・オルテガ、ダビ・ラゴス夫妻のリサイタル。
二人で歌うトナー、タランタ(ダビ)/カルタへネーラ(メルチョーラ)にはじまり
ダビのソロでソレア、マラゲーニャ、ブレリア。
メルチョーラはタンゴ、シギリージャ、ファンダンゴス、ブレリア。
最後はパルマ伴奏のみでのソレア・ポル・ブレリア。

寒い寒い夜で観客も多くはなかったがそれだけにインティモ、内輪の感じで
真摯なフラメンコを満喫。

この日の伴奏はダビのいとこのフアニ・デ・ラ・イスラで
兄アルフレドは客席に。
グラナダにもかけつけたというアルフレドとは再びエンリケの話に。。。
この喪失感、哀しみは当分きえそうにない。

2010年12月16日木曜日

エンリケ・モレンテ グラナダに眠る

今朝マドリードを発った棺は13時20分
グラナダのイサベル・ラ・カトリカ劇場に到着。
 16時半まで
数千人の人々が最後の別れを告げた。
劇場を出る、その前に
エストレージャが歌い上げ、棺の上にくずれおちる。

そのせつなさに説明は不要だろう。

今日からはサン・ホセ墓地に眠る。

2010年12月15日水曜日

エンリケ!

12月13日16時40分に亡くなったエンリケ・モレンテ。

14日、スペイン著作権者協会本部に
遺骸をおさめた棺が安置され多くの人が弔問に訪れた。

当初13時からの予定が、医療ミスの疑いがあり
検死をするということもあって15時となり、
それがまた17時からに変更となった。

13時に到着すると、
先週、様態が悪化したというニュースをきいてすぐにかけつけ、
ずっと家族とともに付き添っていたというアルカンヘル、
エル・ネグリとエストレージャの義弟クーロに迎えられた。
ミゲル・ポベーダ、
エンリケやエストレージャの伴奏をしたアルフレド・ラゴス、ダビ・ラゴス、
次々とアルティスタたちがやってくる。


信じられない。
皆で同じ夢をみているようだ。
今にもエンリケから電話がかかってくるのではないだろうか。
そんな気持ちを皆でわかちあう。
エンリケが皆と一緒にいるような気がする。

次々とやってくるアルティスタ、友人たち。
パケーテ、カニサーレス、ニーニョ・ホセーレ、トマティート、
ミゲル・アンヘル・コルテス、パコ・コルテスら
エンリケの伴奏をしたアルティスタたち。
ピティンゴ、エンリケ・パントーハ、クリストバル・レジェス、
グアディアナ、トニ・エル・ペラオ、

16時半、エンリケの妻アウロラの弟である、モントジータ、アントニオ・カルボネル、
娘婿で闘牛士のハビエル・コンデ、アルカンヘルらにかつがれた棺が建物に入る。

パコ・デ・ルシア、アントニオ・カルモナ、ペペ・デ・ルシア
ホアキン・コルテス、アイーダ・ゴメス、ラ・モネータ、
フアン・カルモナ。ペペ・アビチュエラらフラメンコたちだけでなく
ハビエル・ルイバル、キコ・ベネノ、マルティリオら歌手や
フアン・ディエゴやホセ・サクリスタンら俳優、
アンダルシア自治政府首相、マドリード県知事ら政治家たちも訪れた。
そしてたくさんのアフィシオナードたち。

弔問の長い列は10時すぎまで続き、
最後の別れをおしんだ。

今日14日はグラナダのイサベル・カトリカ劇場で
同様に弔問客を受け付け、
19時か20時に埋葬される予定。

2010年12月14日火曜日

エンリケが亡くなった


奇跡はおきなかった。

エンリケが亡くなった。

「モレンテの家族は本日、12月13日月曜日、17時過ぎにエンリケ・モレンテは逝去いたしましたことをお知らせします。死と戦った数日間を経て、エンリケ・モレンテ、随一の創造者、素晴らしい人は私たちの心に、彼がその人生すべてを捧げた音楽に、大きな空虚を残してました」

12日、15日、16日とバスク地方で公演が予定されていたエンリケ。
12月25日に68歳の誕生日を迎えるはずだったエンリケ。

さよならをいうにはあまりにも早すぎる。


スペイン著作権者協会が捧げるページをfacebookに開設している。

2010年12月13日月曜日

マドリードのフラメンコ

マドリードのライブハウス、クラモーレスで
今週、フラメンコのライブが開催される。

12/16(木)21時30分
[出]〈c〉カプージョ・デ・ヘレス、〈g〉イグナシオ・フランコ、〈palma〉ルイス・デ・ラ・トタ、
ヘスース・フローレス
[料]18ユーロ(前売り15ユーロ)
12/17(金)22時
[出]グループ“エア”
[料]10ユーロ
[問]http://www.salaclamores.es/

なお、このライブハウスで28日から30日までは
その昔、パコ・デ・ルシアとジャズ・フラメンコというアルバムを録音した
サックス奏者、ペドロ・イトゥラルデ・クインテットの公演も。
ジャズからポップ、ロック、アルゼンチンタンゴなど、
幅広いジャンルの公演が行われる店。
地下鉄ビルバオ駅下車。


12月4日、潰瘍の手術のため入院したエンリケ・モレンテ。
出血をおこし、6日に再手術。
現在も昏睡状態で集中治療室に。
状態は落ち着いているとのことだが。。。

快復を祈るばかりだ。

。。。
と書いた数時間後、
脳死状態とのニュースが。

ショックです。
奇跡よ、おきよ!

2010年12月10日金曜日

ヘレスのクリスマス

ヘレスもクリスマスでイベントがめじろおし。
9日からクリスマスの電飾が町を飾り、
アレナル広場ではクリスマス市も開催中。

が、なんといってもフラメンコ・ファン必見はサンボンバとよばれる、
ビジャンシーコ(クリスマスソング)を歌い踊る宴。
17日21時からはサラ・コンパニアでファミリア・ルビチによる
劇場公演もあるけれど
町のあちこちのペーニャや各種協会でも開催。
ヘレス市のウエブで情報を確認してでかけてみよう。

11日の22時からはサンティアゴ街の
ペーニャ・ルイス・デ・ラ・ピカのサンボンバが開かれる。
旧カルメン・ベニテス小学校の校庭へ!

2010年12月9日木曜日

第19回スペイン舞踊とフラメンコの振り付けコンクール


マドリードのフェルナン・ゴメス劇場において
第19回スペイン舞踊とフラメンコの振り付けコンクールが開催される。
12月9日、10日20時からが予選。入場料は5ユーロ
11日20時からが決勝。入場料12ユーロ
「チャンタ・ラ・ムイ」(オルガ・ペリセ、マルコ・フローレス、ダニエル・ドーニャ)と
カラバサ・ダンサがゲスト出演。
12日は優勝者ガラ公演 入場料12ユーロ
ロハス&ロドリゲス舞踊団とカラバサ・ダンサがゲスト出演。

今年の出場者は以下の通り。
ペパ・サンス、クリスティアン・ペレス、エンリケ・ビセン、
ホセ・マリア・マルドナード、サラ・カーノ、エステル・タブラス、
グアダルペ・トーレス、ルシア・デ・ミゲル、ニノ・デ・レイジェス、
アンヘル・ロドリゲス、アレハンドロ・ガルシア、アドリアン・サンタナ、
マヌエル・ディアス・カジェホン、フェルナンド・ヒメネス&フアン・カルロス・サンチェス


これまでにアドリアン・ガリア、ミゲル・アンヘル・ベルナ、エルビラ・アンドレス、
フェルナンド・ロメーロ、アントニオ・ナハッロ、ラファエラ・カラスコ、
ルベン・オルモ、オルガ・ペリセ、らも受賞しているこのコンクール。
さて栄冠は誰の手に?

2010年12月8日水曜日

エンリケ・モレンテ危篤

先週の金曜日、潰瘍の手術をしたエンリケ・モレンテが
月曜から集中治療室にいるそうです。
早くよくなることを心から祈ります\

2010年12月7日火曜日

ファルーカとカルペータen バルセロナ

12月30日21時30分から
バルセロナのサラ・アポロで
ファルーカとカルペータの「ミ・エレンシア」が上演されます。

まだ11歳ながら、ビエナルの閉幕を飾ったパコ・デ・ルシアの公演の
フィナーレに登場し、兄ファルーとともに見事なブレリア一発をみせた
あのカルペータが、母ファルーカとともに登場します。

入場券は20ユーロで、前売りはこちらから。



なお、翌日の大晦日12月31日には19時から
ポリオラマ劇場でグラン・ガラ・フラメンコとなうった公演も。
会場はランブラス通りのポリオラマ劇場。
こちらの出演者は
〈b〉かティア・モーロ、イバン・アルカラ・、エリ・アジャラ、アンヘリータ・エスパニャデーロ、〈c〉サラ・フローレス、ピラタ、〈g〉フアン・コルテス、ホセ・サウセドというメンバー。
入場料は20〜48ユーロと強気の設定。
前売り券はこちらから.

2010年12月6日月曜日

第17回ホルナダス・フラメンカス・デ・ラ・フォルトゥナ


マドリードの郊外、レガネスの町で12月13日から18日まで
第17回ホルナダス・フラメンカス・デ・ラ・フォルトゥナが開催される。
プログラムは下記の通り。

12/13(月)20時
[出]〈piano〉ラウラ・デ・ロス・アンヘレス
12/14(火)20時
[出]〈g〉キャロライン・プラント
12/15(水)〜17(金)
カンテコンクール“シージャ・デ・オロ”準決勝
12/18(土)20時
第1部 カンテコンクール決勝
第2部[出]〈b〉ライラ・ブローキン
12/19(日)20時
第1部[出]〈c〉アントニオ・レジェス、〈g〉ディエゴ・アマジャ
第2部[出]〈b〉マリア・モレーノ、エル・チョロ、〈c〉へロモ・セグーラ、ハビエル・リベラ、〈g〉ティノ・バン・デル・スマン
[場]マドリード圏 レガネス アウディトリオ(18、19はポリデポルティーボ)
[問]www.silladeoro.com

なお、期間中、パコ・サンチェスの写真展「ウーマン」も開催される。

2010年12月5日日曜日

カハソルの12月 クリスマスアルバム


セビージャに本拠をおく銀行、カハソル。
文化事業にも熱心で
セビージャでのフエベス・フラメンコスなど、
フラメンコの催しも多数、主催/後援している。

そのうちのひとつが毎年12月に発表しているクリスマス・アルバム。
アシ・カンタ・ヌエストラ・ティエラ・エン・ナビダ
(クリスマスに私たちの町ではこう歌う)は今年でなんと28回目。
もともとはヘレスの銀行、カハ・デ・アオロ・デ・ヘレスがはじめ、
銀行の合併でカハ・サン・フェルナンド、カハソルとひきついできたもの。
当初は、ヘレスのフラメンコ学会のコーラス、すなわちヘレスのアルティスタたち、
ポピュラーなビジャンシーコ(クリスマスソング)を集めたものだったが
銀行の合併後はエスペランサ・フェルナンデスら、セビージャのアルティスタたちなども
加わるようになった。
このアルバムのシリーズがあってこそ、
ヘレスのサンボンバは今もみな昔ながらの歌を歌い、
伝統が引き継がれていると言っても決して過言ではない。

今年のアルバムは2008年12月3日に、
ヘレスのビジャマルタ劇場で行われた公演のライブ盤で
第一部はアンダルシア青少年オーケストラと合唱団、ソプラノ、テノールによるクラシック。
第二部はフラメンコで、マカニータ、エスペランサ・フェルナンデス、
カルメン・ハラ、
フェルナンド・デ・ラ・モレーナ、アンヘル・バルガス、
モライート、ディエゴ・デ・モラオ、ペペ・デル・モラオらによるフラメンコ。
今年亡くなったフェルナンド・テレモートとトリートの声も聴けるのが
うれしくもさびしい。
アルバムについてはこちらのブログにかきました。


このアルバムはカハソル各支店で5ユーロで限定発売。
売り上げはセビージャ、ヘレス、ウエルバ、グアダラハラの慈善食堂へ寄付される。
この時期にセビージャやヘレスに来ることがあればぜひ購入したいところだ。

なお、カハソル主催/後援の公演もいろいろ。
8日にはロス・ヒターノス信者会の慈善ガラがカハソル文化センターで。
エスペランサ・フェルナンデス、チケテテ、トリアーナ・プーラらが出演予定。
同文化センターではフエベス・フラメンコスで、
16日にはダビ・ラゴス、メルチョーラ・オルテガ夫妻、
23日にはイスラエル・ガルバンが出演。
また、29日にも熟年世代のためのフラメンコ公演が予定されている。

またベレンとよばれる、キリスト生誕の情景を描いた人形/模型の展示も
セビージャのサン・フランシスコ広場などで行われる。
折から、同広場ではベレンの品物、人形や小物などを売るクリスマス市も開催中だ。
12月に入り、セビージャもクリスマスムードが高まってきている。

2010年12月4日土曜日

フェルナンド7世がフラメンコに

12月4日、カディス県サン・フェルナンドの、
レアル・テアトロ・デ・コルテスで、
フェルナンド7世をテーマにしたフラメンコ作品「ルブリカ」が上演される。

主役をつとめるのはダビ・ニエト。
サン・フェルナンド出身、弱冠23歳の彼だが、
同郷のサラ・バラスの舞踊団で活躍した経験の持ち主。
カディスのアレグリアスのコンクールでも優勝しているとか。
故郷、サン・フェルナンドとも縁の深い、
フェルナンド7世を踊るのは、
1812年、カディスで制定された憲法にちなんでのこと。
スペイン独立戦争中のことでもあり、
この憲法を自由への讃歌とし、それに署名した国王ということで、なのだが、
その後、その憲法を否定しているわけで、
さて、どんな作品になっていることやら。


公演は20時半と22時半の2回。
入場料は15〜25ユーロとのこと。

2010年12月3日金曜日

第6回ラス・ミーナス・フラメンコ祭

12月5日、エストレマドゥーラの古都カセレスで
第6回ラス・ミーナス・フラメンコ祭が開催される。

鉱夫の聖人である、聖バルバラの日に開催されるこのフェスティバル、
歌い手エウヘニオ・カンテーロが監督をつとめ、
カセレスのグラン・テアトロを舞台に、
エル・カブレーロ、ペドロ・ペラルタ、ピラール・バジェーホ“ラ・ラティータ”がカンテ
伴奏にラファエル・ロドリゲス、フランシスコ・ピント、
舞踊はカルメン・オサドというメンバーが出演する。
カルメン・オサドは元スペイン国立バレエ団のダンサー。

なお、このカセレス、11月20日に開催された第36回フラメンコ祭には
丹羽暁子が出演。
同フェスティバルには2年前には、瀧本正信、俵英三、影山奈緒子も出演するなど
日本のフラメンコにも縁のある町だ。

2010年12月2日木曜日

第11回オトニョ・クルトゥラル・フラメンコ

12月ではありますが、グラナダでは恒例、
オトニョ・クルトゥラル・フラメンコ、秋のフラメンコ文化週間が開催されます。

12/3(金)22時 「マリフェ・デ・トリアーナに捧ぐ」
[出]〈スペイン歌謡〉ジョアナ・ヒメネス
[料]20〜33ユーロ
12/4(土)22時「エストレージャ・デ・グラナダ」
[出]〈c〉エストレージャ・モレンテ
[料]26〜36ユーロ
12/5(日)22時「エントレ・アサアレス・イ・アラリエス」
[出]〈g〉フアン・アビチュエラ・ニエト、ゲスト;〈c〉マヌエル・モリーナ、ホセ・パッラ
12/6(月)、7(火)22時「フラメンコ・ポル・デレチョ」
[出]〈b〉フアン・アンドレス・マジャ舞踊団、ゲスト;〈b〉アントニオ・カナーレス
[料]16〜26ユーロ
[場]グラナダ イサベル・ラ・カトリカ劇場

入場券はこちら

2010年12月1日水曜日

ロシオ・モリーナにプレミオ・ナショナル

スペイン政府文化省の制定する、
舞踊のプレミオ・ナショナル、国家賞の
今年度の受賞者に、バイラオーラ、ロシオ・モリーナが選ばれました!

1984年マラガ生まれ。
まだ弱冠26歳での受賞です。


おめでとう!

2010年11月30日火曜日

フラメンコと教育

第4回 フラメンコと教育のセミナーが今日、11月30日から12月2日まで
ヘレスのアンダルシア・フラメンコ・センターで開催。

これはフラメンコを学校、義務教育の中でどう教えて行くか、というテーマ。
アルコスの学校での実例の紹介があったり
フラメンコを手話で歌い踊る“ニーニャ・デ・クポネス”
(08年のビエナルに出演した聾唖のバイラオーラ)の話や
コミックでフラメンコに親しむ、というものなど盛りだくさんの内容。

フラメンコを小学校でどう教えるか、という課程はまだ確立されてはおらず
それぞれの学校でいろいろなアプローチがされている。

フラメンコを小学校に! は大賛成だけど
試験とかあると嫌いになる子も出そうだし
とりあえずは、せめてフラメンコの故郷アンダルシアのこどもたちは
一度はフラメンコの舞台をみるのが必須、とかしたらどうだろう。

なにもこどもむけの作品である必要はないと思うけど
短めに、フラメンコとはどんなものか、をみることができると
興味をもつ子はいるだろう、などと思うわけで。

無理強いせず、
でも一度はみてほしいよね、フラメンコ。

2010年11月28日日曜日

ヌエボ・フラメンコの時代

昨日、マリオ・パチェーコのことで
フラメンコの、ひとつの時代を支えた人が去っていってしまった。」
と書いたのだが、そのひとつの時代について考えている。


マリオとともに、ヌエボ・フラメンコの時代も去っていってしまったのではないか、
などと。


ヌエボ・フラメンコは、マリオのレコード会社、ヌエボス・メディオスが
それまでのフラメンコの範疇に入りきれないような、
新しい潮流のフラメンコにつけた名前。
ケタマやパタ・ネグラなど、ほかのジャンルの音楽とフュージョンしているものや
ホセ・エル・フランセスなどのようにポップなもの
リケーニ、トマティートなど当時の若手ギタリストたちのソロや
ドゥケンデやポティートら若手カンタオールたち、
ホルヘ・パルドら他ジャンルのミュージシャンたちのフラメンコへの接近…
すべてをひとくくりにしてしまっていたのだから
ずいぶん乱暴な話でもあったけど。


パコ・デ・ルシアが開いた道に続く人たち、
といってもいいかもしれない。
パコとカマロン
ローレ・イ・マヌエルとトリアーナ(ロックグループ)
70年代に生まれた流れがひとつのかたちになったのが
ヌエボ・フラメンコ、だったのだろう。


パコ・デ・ルシア・セクステットのようなコンボ形式でのフラメンコ
新しいハーモニー、リズムのとりかた…
最初は新鮮だったものがいつかスタンダードとなり
“ヌエボ”、新しいという言葉がいつか古く感じられるようになってしまった。


ケタマやパタ・パタ・ネグラ、ホセ・エル・フランセスらの流れは
今、“フラメンキート”とよばれるフラメンコ風味のポップなどにうけつがれ
ギターはもちろん、カンテのリサイタルにギター以外の楽器が入ることも珍しくない。


今はかえって、伝統や古典に学んだものが新しく思えたりする。
コピーではないよ。その人なりに咀嚼したものでないとね。


時代は回る。時代は変わる。


マドリードのフラメンコ・バル、カンデーラのオーナー、ミゲルが亡くなり
マリオが亡くなり、
フラメンコのひとつの時代というものが終わり、流れていく。
そんな気がする。


舞踊にはイスラエル・ガルバンという怪物、ものすごい天才がいるわけだが、
歌やギターにも、私たちがひっくりかえるような、そんな才能が生まれてくるのは
そんなに遠い日ではないだろう。





2010年11月27日土曜日

マリオ・パチェーコ死す

11月26日、マリオ・パチェーコが亡くなった。まだ60歳という若さ。

写真家でレコード会社、ヌエボス・メディオス社長。
写真家としてはカマロンの「レジェンダ・デル・ティエンポ」のジャケットなどの作品がある彼が、レコード会社、ヌエボス・メディオスを創立したのは1982年。

マドリード、80年代のポップカルチャーの大きな動きである、
〈モビーダ〉の一端をにない(当時の得難い写真を多く撮影している)、
ラ・モデ、ゴルペス・バホスらのアルバムをリリース。

そして1983年にはペペ・アビチュエラ、初のソロアルバムを出している。
その流れから

パタ・ネグラ、ケタマ、
ラファエル・リケーニ、ホルヘ・パルド、トマティート、
カルロス・ベナベン、ライ・エレディア、バルベリア・デル・スール、
ドゥケンデ、ホセ・エル・フランセス、ディエゴ・カラスコ、
インディオ・ヒターノ、ラ・マカニータ、グアディアナ、
ディエゴ・アマドール、ティノ・ディ・ジェラルド、
トマシート、ポティート、ミゲル・ポベーダ、
フアン・マヌエル・カニサーレス、ホセ・ソト…

多くのフラメンコたちがこのレーベルから育っていった。
いわゆる「ヌエボ・フラメンコ」の生みの親でもある。

それまでのルス・チュンギートスやロス・チーチョスのようなルンバでもなく
よりフラメンコな、でもポップな、パタ・ネグラやケタマらの音楽に
この名前をつけることでより世界に浸透していったのだ。

お金も名もなく、でも志と夢があったフラメンコたちを、
ミュージシャンたちを支えた一人。
フラメンコの、ひとつの時代を支えた人が去っていってしまった。

2010年11月26日金曜日

ドミンゴ・オルテガのクルシージョ

12月13日から17日まで
マドリードのアモール・デ・ディオスで
ドミンゴ・オルテガによる
ブレリア・デ・ヘレスのクルシージョが開講されます。
13時から14時、スタジオ4番だそうです。

マドリードにいながらにして
ヘレスのブレリアが学べるチャンス!

2010年11月24日水曜日

コルドバのコンクール結果 速報

コルドバのコンクールの結果が発表されました。

ギター部門がアントニオ・レイ、
カンテ部門がアントニオ・メヒアス、
バイレ部門は該当者なし。

バイレの受賞がないのは残念な限り。。。

2010年11月20日土曜日

先週、11月15日に第1回が放映されたカナルスールの新しいフラメンコ番組、
「エル・ソル、ラ・サル・エル・ソン」
その昔、パコ・デ・ルシアのマネージャーだったこともある、
人気司会者ヘスース・キンテーロと
ロンダ闘牛場のオーナーでもある、祖父も父も闘牛士だったという名門出身の
人気闘牛士フランシスコ・リベラ“パキリ”が司会をつとめる。


第1回目はオープニングの特別番組で、ミゲル・ポベーダやアルカンヘル、
パストーラ・ガルバン、ディエゴ・カラスコ、パンセキート、
レブリハーノ、カルメン・リナーレスらが出演し
視聴率13.7%を達成したとか。


この番組はこちらで観る事ができます。


22日に放映予定の第2回目は
ニーニャ・パストーリ、モライート、ディエゴ・カラスコ、アントニオ・エル・ピパ、
アルヘンティーナ、シガーラらが出演予定だそうです。



2010年11月19日金曜日

コルドバのコンクール プログラム

12人の予選通過者の出演日が決まりました。
毎日1ジャンル1人ずつの出演。
同じ日にしないということは強い印象が残るかどうかが鍵かも。

なお、開演は全日21時。

20日
サルバドール・グティエレス(ギター)
アロラ・カラ(カンテ)
インマクラーダ・アランダ(バイレ)
21日
ニーニョ・セベ(ギター)
セバスティアン・クルス(カンテ)
ラ・チミ(バイレ)
22日
ラウル・マノラ(ギター)
ニーニョ・デ・ラ・フラグア(カンテ)
ダビ・ロメロ(バイレ)
23日
アントニオ・レイ(ギター)
アントニオ・メヒアス(カンテ)
アドリアン・サンチェス(バイレ)

2010年11月18日木曜日

カンテ・フラメンコへの招待席IV

ギタリスト、俵英三プロデュースのカンテ・フラメンコへの招待席。
11月17日、新宿「エル・フラメンコ」で開催された公演は満員御礼。
それだけ日本のカンテ熱が盛り上がっている、ということか。

小里彩の歌うローレ・モントージャの「ヌエボ・ディア」にはじまったこの公演、
日本のフラメンコがこれまでとまた違った局面にさしかかってるように思えました。

小里のローレ(マヌエル・モリーナのつま弾きをなぞる俵のすばらしさ)、
井上恵理のレブリーハ(これ、聴けば誰でもすぐわかる!)
能登晶子のウトレーラ/レブリーハ(この人見た目もヒターナのマダムぽい)、
俵のモロン/ヘレス(親指いきてます!)
井山直子のコンチャ・バルガス!
と、それぞれの、好みがそのまま彼らのアルテに反映されているのにオレ!
自分の好きなものをやる。
そうです。それが正解です。
フラメンコはしょせん、趣味、好みのもんなんです。
オレはこれがこんだけ好きなんだぞ〜
という気持ちにあふれていて、それが、伝われば、日本人だろーが、ヒターノだろーが、
スペイン人だろーが、アフリカ人だろーが、関係ない。
それがフラメンコなのであります。

そ、フラメンコはね、結局は愛なのよ、愛!

というわけで、上手になぞっただけのフラメンコよりも百倍いい、
気持ちの伝わるフラメンコでした。

もちろん、歌い手たちの胸のひらきかた(姿勢というより、緊張からか肩が前にでてちじこまってしまってるのは残念)や、発音(rrがちょっと弱い人あり)や、音程、リズム、
最後の音の消し方とか、気持ちの持って行き方(いわゆるセンティード)とか、
もっともっとよくするための鍵もいっぱいあるとは思いますが、
まずは大本の鍵、愛があるからだいじょうぶでしょう。

井山はほんといい顔して踊ってくれた。
踊るのが楽しくてしょうがない、って言う、幸せな顔。
その幸せ感、こっちにも伝わります。
歌が踊りを伴唱するのではなく。踊りが歌を伴奏するという感じなので
自分のソロを踊るよりも難しかったと思う。

俵さんのおいっこ的存在?の、フェステーロ、ルイス・ペーニャ。
ヘレスやセビージャのフィエスタのアイレが混在して
彼のアイレをつくってます。
細部に注目。
コンパスのおしまいをどう帳尻あわせるか、とか、えーっすね〜
オリージョ・デ・プエルト(ランカピーノのお兄さん)や
パコ・バルデペーニャら、今は亡き名手たちや
セビージャの今のフィエスタの華、マルセジェたちなどを思い出します。
うん、こうして伝わっていくんだよね。。。

2010年11月17日水曜日

フラメンコが世界遺産に!

やりました!

フラメンコがユネスコの無形文化遺産に認定されました!

世界遺産です!


無形文化遺産についての説明はこちら

日本の芸能では能楽、人形浄瑠璃、歌舞伎
そのほかかにも、韓国のパンソリやインドネシアの人形劇ワヤンなどが
認定されています。

折からケニアのナイロビで開催されていたユネスコの会議で決定されたものですが、
このために熱烈なプロモーションを展開していたアンダルシアではよろこびもひとしおです。

2010年11月15日月曜日

コルドバのコンクール 決勝進出者発表

コルドバのコンクール 準決勝進出者が以下の通り、発表された。
この12人は、20日から23日までの準決勝に進出、
4人が選ばれ、27日の決勝に進出するとか。

来日経験のある錚々たるプロたちの顔も外国人アーティストも並び
結果が楽しみだ。

カンテ
アロア・カラ・ルケ(カディス県プエルト・デ・サンタ・マリア)
セバスティアン・クルス・マルケス(ウエルバ県ベア)
ペドロ・ガリード・フェルナンデス“ニーニョ・デ・ラ・フラグア”(カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ)
アントニオ・ホセ・メヒアス・ポルテーロ(コルドバ県モンティージャ)

バイレ
インマクラーダ・アランダ・エスペホ(コルドバ)
ラクスミ・ペカレック・バシレ“ラ・チミ”(アメリカ)
ダビ・ロメーロ・カルドーソ(バルセロナ、オスピタレ・デ・ジョブレガ)
アドリアン・サンチェス・ゴンサレス(グラナダ)

ギター
サルバドール・グティエレス・アギラール(セビージャ県エシーハ)
セベリアーノ・ヒメネス・フローレス“ニーニョ・セベ”(コルドバ)
ラウル・マンノラ(フィンランド)
アントニオ・レイ・ナバス(カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ)

2010年11月14日日曜日

ファルキートのクルシージョenバルセロナ

ファルキートの集中クラスが
11月26〜28日にバルセロナ近郊バダローナの
フラメンコ舞踊スタジオ、オルチで開催されます。

初級は金曜が19時〜20時15分 土日が13時から14時15分

中上級は金曜が20時15分〜21時30分 土日は14時15分〜15時30分

定員制

希望者は
info@orchi.es
まで

http://www.facebook.com/profile.php?id=100000101515811#!/orchi.flamenco

2010年11月13日土曜日

ラテングラミー賞はトマティートに

毎年恒例ラテングラミー賞
フラメンコのベストアルバム賞はトマティートの「ソナンタ・スイート」に決定した。

なおほかの候補作は
フランス人ギタリスト、フアン・カルモナ「エル・センティード・デル・アイレ」、
ホセ・メルセ「ルイード」
エンリケ・モレンテ「モレンテ・フラメンコ」
ニーニョ・ホセーレ「エスパニョーラ」
でありました。

2010年11月12日金曜日

西日暮里アルハムブラ

10日水曜日、おそらく20年ぶり?くらいで訪れた西日暮里アルハムブラ。
フラメンコの舞台のあるスペイン料理店で都内でも老舗のひとつ。
目的は森田志保と鈴木敬子。
え?
って思うでしょ? 
私もそうでした。
日本のフラメンコを代表する舞踊家たちが
スペイン料理のお店で見る事ができちゃうんです。

19時からのショーは約1時間。
ソレアによるプレゼンテーションではじまります。
続いて稲田進のアレグリアス。 気迫十分。
なんだけど、曲が聞こえない状況でみたらソレアか
ソレア・ポル・ブレリアスに みえちゃうかもしれない。
アレグリアスの空気感が感じられないのだ。
フラメンコはその曲ごとに性格とでもいうべきものがあって
それを表現するのも重要だと私は思うのだけど。

続く鈴木敬子のグアヒーラ。
彼女の踊りはいつでも破綻がなく、安心してみられる。
定番アバニコをつかってのもの、なんだけど

下だけでなく、上の面をもってみせたり、とその使い方に工夫が満載。
でもって、そこかしこにセビージャが香る。
彼女がセビージャに住んでいたのはもう20年も前のことなのにね。
もちろん、グアヒーラらしい、明るく、ちょっとのんびりした感じとかもあって満喫。

森田志保はソレア。
黒い衣装で、中へ、中へと、ソレアの曲の中に沈み込んで行くようなソレア。
こういうものが好きという志向、
こういうものが踊りたい、こういうものを表現したいという志、
それがまっすぐ伝わってくる、そんなバイレ。
いろいろと条件の限られた、 タブラオの小さな舞台でこれなんだから、
劇場でのリサイタルはさぞかし。。。
いつか必ず観てみたい。

最後のフィン・デ・フィエスタは三人揃って。
聞けば、森田と鈴木は初共演とか。
ふだんはそれぞれ、独自の活動をしている踊り手が
タブラオの舞台で共演する。
そんなやわらかでしなやかでゆるやかな連帯感っていいね。

20年前、アルハムブラでのフラメンコにカンテがあることはめったになかった。
でも今、プログラムをみると毎回ある。時代は変わりました。

2010年11月11日木曜日

「サビーカスを思い出して」

という催しがサビーカスの生まれ故郷、パンプローナで
11月12日から「サビーカスを思い出して」という名の催しがはじまる。
17時から、マヌエル・モリーナによるカンテのクラスが、
19時半からはマヌエル・モリーナとフランシスコ・ハビエル・イラソキによる座談会で
サビーカスの足跡などをたどり、
翌13日には10時からファルーのバイレのクラス、
12時からはアントニオ・サンチェスのギターのクラスがあり、
14日21時にはパコ・デ・ルシアのコンサートが行われる。
つまり公演の前日に、
パコのグループのメンバーによるマスタークラスを受講できるというわけ。

なお、パコの公演の前に、マヌエル・モリーナがサビーカスに捧げた曲を披露するとのこと。
公演の前売り券はこちらで。

2010年11月10日水曜日

平富恵

ポップなアレンジのバッハでのオープニングから
タンギージョでのアンコールまで1時間半
スペイン舞踊とフラメンコをたっぷり楽しませてくれた。

クラシコ・エスパニョールとよばれる、
フラメンコやエスクエラ・ボレーラのテクニックをつかって
クラシック音楽にあわせて踊られるものは、
日本ではあまり知られていないかもしれないが
フラメンコと表裏一体とでもいうべきところもある
美しい舞踊である。
スペイン国立バレエ団の「ボレロ」などをおもいだしてほしい。
ここで必要とされる回転などのきちんとしたテクニックは
フラメンコでもいかされる。

小松原舞踊団出身の平は、2003年、ラ・ウニオンのコンクール準決勝に出場し
その美しく優雅なバタ・デ・コーラつかいで注目をあびた人。
彼女の主宰するスタジオではフラメンコだけでなくクラシコも教えるというだけに
今回のリサイタルもはじまりはクラシコ。

カスタネットをつかったバッハによるオープニングから、
ゲストの元スペイン国立バレエ団プリンシパル、ルイス・オルテガのソロ。
サラ・バラス舞踊団の、という方が今は通りがいいかもしれないが、
きちんと基礎のあるしっかりした踊り手だ。ここでもあぶなげなくみせる。

バタ・デ・コーラとアバニコをつかっての華やかなアストゥリアス。
バタが軽いせいか、足もとがかなりみえすぎてしまう。
ハビエル・サンチェスのソロは振りも曲も同じような繰り返しが少しくどいかも。
女性たちの「はかなき人生」は編曲と衣装こそネオ・クラシコ風だが、
振り付けはオーソドックス。

その次の「タクトゥタ」と題された、いわゆる口タブラの曲で
平とハビエルが踊る曲が良かった。
同じような試みはかつてベレン・マジャとラファエラ・カラスコもやっているが
男装の平とハビエルとのかけあいが面白い。

サジャーゴの孫だというカリダ・ベガがバラードを歌いながら客席から現れ
クラシコからフラメンコへ。
平の、バタ・デ・コーラとマントンの華やかなロメーラ。
マントンが落ちそうになるアクシデントも余裕で処理したのはさすが。
マントンや花、櫛、アバニコなどが落ちたり、のアクシデントは誰にでもおこりうる。
それをどう処理するかが問題。
とはいえ、もちろん落ちないように対策を十二分にとることが大切なのはいうまでもない。
ルイス・オルテガのソレア・ポル・ブレリア。
フラメンコらしいデテールにあふれ素晴らしい。
女性6人にハビエルがからむグアヒーラ(再びアバニコ)、ギターソロに続き
ルイスと平のシギリージャ。
最初から最後まで、カスタネットのかけあいをのぞき
二人が同じ振りで影のように踊るのが珍しい。
最後はブレリア。そしてアンコールでタンギージョ。
このタンギージョがなかなか楽しい。
ふくらませてプログラムの一曲としてもよかったかも?

結果としてクラシコとフラメンコが半分半分というコンサート。
あれもこれもつめこんだおもちゃ箱をひっくりかえしたように
バラエティにとんで華やかな公演だったが
その反面、焦点が少しぼやけてしまったような気もする。
群舞を減らし、平のソロ/デュオをもっと前面におしだしてもいいのでは?
振付家、ディレクターとしての面を出したということなのかもしれないが、
舞踊家としての、ダイナミックな魅力をもっと出してもいい。

またカスタネット、バタ・デ・コーラ、アバニコが繰り返しつかわれるが
そのため、これら技術と訓練を必要とされるものが効果をあまりあげていない。
このあたり演出にもよるのかもしれないが、
整理していけばもっと印象的なものとなるだろう。

またフラメンコではもっといい歌い手がくれば踊りもぐっとはえたことだろう。
フラメンコは歌を踊る。
いい歌が踊りにインスピレーションをあたえる。
好きな歌い手でないと踊れない、というエバ・ジェルバブエナのように
とまではなかなかいかないかもしれないが、
平ほどの実力があればそれにふさわしい歌い手を選んでもよかったかもしれない。

2010年11月9日火曜日

ヘレスのフェスティバル プログラム発表!


ヘレスのフェスティバルのプログラムが発表されました!


◆第13回ヘレス・フェスティバル 
2/25(金)21時「ダンサカリ。ダンサル・デ・ロス・ヒターノス」
[出]〈b〉アントニオ・エル・ピパ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
2/26(土)21時「オメナへ・ア・ロス・グランデス」
[出]〈b〉ラ・ファルーカ
[場]ビジャマルタ劇場
2/26(土)24時「アマルガマ」
[出]〈g〉サンティアゴ・ララ・トリオ、〈b〉メルセデス・ルイス
[場]サラ・パウル
2/27(日)21時「ラ・セレスティーナ」
[出]〈b〉小島章司舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
2/27(日)24時「アタドゥラス」
[出]〈b〉ヘスース・フェルナンデス 
[場]サラ・コンパニア
2/28(月)19時
[出]〈c〉ミゲル・オルテガ
[場]パラシオ・ビジャビセンシオ
2/28(月)21時「バイベネス」
[出]〈b〉ハビエル・バロン舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/1(火)17時「ビベンシアス」
[出]〈c〉フアン・ロメーロ・パントーハ“エル・グアポ”
[場]アンダルシア・フラメンコ・センター
3/1(火)19時
[出]〈c〉ナサレ・カラ、キコ・ペーニャ
[場]パラシオ・ビジャビセンシオ
3/1(火)21時「アンヘル」
[出]〈b〉アンヘル・ムニョス
[場]サラ・コンパニア
3/1(火)24時「エレ・エレ」
[出]〈b〉レオノール・レアル、アナ・マリア・レアル、フアン・パッラ
[場]サラ・パウル
3/2(水)19時「エレ・エレ」
[出]〈b〉レオノール・レアル、アナ・マリア・レアル、フアン・パッラ
[場]サラ・パウル
3/2(水)21時「トランキーロ・アルボロト」
[出]〈b〉ルベン・オルモ
[場]ビジャマルタ劇場
3/2(水)24時「アンヘル」
[出]〈b〉アンヘル・ムニョス
[場]サラ・コンパニア
3/3(木)17時
[出]〈b〉マノロ・マリン
[場]サラ・パウル
3/3(木)19時
[出]〈c〉マリア・メスクレ、ダビ・カルピオ
[場]パラシオ・ビジャビセンシオ
3/3(木)21時「エル・ドゥエンデ・イ・エル・レロッホ」
[出]〈b〉ハビエル・ラトーレ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/3(木)24時
[出]〈b〉ローラ・ペレス、アナ・マリア・ブランコ
[場]サラ・コンパニア
3/4(金)19時「ハビエル・ラトーレのクラスのフィナーレ」
[出]〈b〉クラス生徒
[場]サラ・コンパニア
3/4(金)21時「エン・ラ・オルマ・デ・スス・サパトス」
[出]〈b〉イサベル・バジョン
[場]ビジャマルタ劇場
3/4(金)24時「カジェホン・デ・アスタ」
[出]〈b〉アンドレス・ペーニャ、ピラール・オガージャ
[場]サラ・コンパニア
3/5(土)21時「イストリア・デ・ビバ・ボス」
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ
[場]ビジャマルタ劇場
3/5(土)24時「カジェホン・デ・アスタ」
[出]〈b〉アンドレス・ペーニャ、ピラール・オガージャ
[場]サラ・コンパニア
3/6(日)19時「カシダ」
[出]〈c〉ロサリオ・ラ・トレメンディータ、モハマッド・モタメディ
[場]サラ・パウル
3/6(日)21時「アイ・フエゴ・エン・トゥス・オホス」
[出]〈b〉アンドレス・ペーニャ、ピラール・オガージャ
[場]ビジャマルタ劇場

3/7(月)17時
[出]コンチータ、ベンディート、カスカリージャ
[場]アンダルシア・フラメンコ・センター
3/7(月)19時
[出]〈c〉レジナ、エル・トロ
[場]パラシオ・デ・ビジャビセンシオ
3/7(月)21時「ロサ、メタル・イ・セニサ」
[出]〈b〉オルガ・ペリセ、ヘスース・フェルナンデス
[場]ビジャマルタ劇場
3/7(月)24時「オリソンテ」
[出]〈b〉アデラ・カンパージョ
[場]サラ・コンパニア
3/8(火)19時
[出]〈c〉チュルンバーケ
[場]パラシオ・ビジャビセンシオ
3/8(火)21時「ススピロ・フラメンコ」
[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/8(火)24時
[出]〈b〉アナベル・ベローソ、ハビエル・ラトーレ
[場]サラ・コンパニア
3/9(水)19時
[出]〈c〉ルイス・モネオ
[場]パラシオ・ビジャビセンシオ
3/9(水)21時「ミ・ウルティモ・セクレト」
[出]〈b〉ベレン・マジャ、〈c〉ヘスース・メンデス、〈g〉ラファエル・ロドリゲス
[場]サラ・コンパニア
3/9(水)24時「ラ・グロリア・デ・ミ・マレ」
[出]〈b〉ラ・チョニ
[場]サラ・コンパニア
3/10(木)17時
[出]〈b〉ホセ・デ・ラ・ベガ
[場]アンダルシア・フラメンコ・センター
3/10(木)19時「ラ・グロリア・デ・ミ・マレ」
[出]〈b〉ラ・チョニ
[場]サラ・コンパニア
3/10(木)21時「ペルスペクティーバス」
[出]〈b〉メルセデス・ルイス舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
3/10(木)24時「ミ・ウルティモ・セクレト」
[出]〈b〉ベレン・マジャ、〈c〉ヘスース・メンデス、〈g〉ラファエル・ロドリゲス
[場]サラ・コンパニア
3/11(金)19時「ビポラル」
[出]ウルトラ・ハイ・フラメンコ
[場]サラ・パウル
3/11(金)21時「カンビオ・デ・テルシオ」
[出]〈b〉ヌエボ・バレエ・エスパニョル
[場]ビジャマルタ劇場
3/11(金)24時
[出]〈b〉ホセ・マジャ
[場]サラ・コンパニア
3/12(土)19時「ハビエル・ラトーレのクラスのフィナーレ」
[出]〈b〉クラスの生徒
[場]サラ・コンパニア
3/14(土)21時「クアンド・ジョ・エラ」
[出]〈b〉エバ・ジェルバブエナ舞踊団
[場]ビジャマルタ劇場
[問]http://wwwwww.villamarta.com・http://wwwwww.festivaldejerez.es

2010年11月8日月曜日

コルドバのコンクール予選開始

今日8日からいよいよコルドバのコンクールの予選が開始されます。
初日はギター部門で、17時からの開始。
9、10日はバイレ部門で、11時から14時30分の午前の部、
18時からの午後の部の2部制。
11日からはカンテ部門。

この予選を通過すると20日から23日の決勝へ進む事となります。

なおコンクール参加者はセビージャから30人、カディスから29人、
コルドバから24人とアンダルシアからが多いですが、
ほかにもマドリ、バルセロナ、バジャドリード、バダホス、
アルバセーテとスペイン全国から参加者は集まり、
海外からもアメリカ、キューバ、ペルー、ブラジル、
メキシコ、フィンランド、モロッコ、そして日本からと国籍もバラエティ豊かだそう。

さて、どんな結果となるのでしょうか。。。

2010年11月6日土曜日

MAGIA 石井智子とヘレスの魔法

混沌の中で啓示を受け
フラメンコへの愛が生まれ
深い深いシギリージャや
華やかなアレグリアスへと昇華する。。。


エレガンシア、“優雅”さといえばこの人、の石井智子。
ヘレスばりばりのフラメンコ、ディエゴ・カラスコとの驚異の共演から1年。
今回はディエゴのコンパドレ、
大親友モライート・チーコもよんでしまうという大技を繰り出し
再び私たちを驚かせてくれた。うれしい驚き。
90年に「ビエナルのスターたち」で初来日。
数年後にトルタの伴奏でフラメンコ協会のフェスティバルで来日して以来のことだ。
彼らに加え、アルフレドとダビのラゴス兄弟とその叔父アギラール・デ・ヘレスと、
ヘレスの面々で脇を固めての舞台。

ディエゴの歌声で目を覚ました石井は
アバニコやカスタネット、バタ・デ・コーラと、
見事なテクニックでフラメンコへの愛を示す。

続くモライートのブレリアはまったくのソロ!
スペインだと必ず入るパルマもない。まったくの素のブレリア。
ごまかしのきかないシンプルさ。
地の、血のリズムがぐるんぐるんまわっていてその上にふわっとのせたような
そんなブレリア。
続くタンゴも、ブレリア同様、自然なリズムに身体をまかせてるような気持ちよさだけど
ときどき見え隠れする、黒い魂が、うん、フラメンコだねえ。と既にごきげんな私。

群舞のかたちの美しさは特筆もの。
群舞を踊るのは生徒さんたちの舞踊団。
生徒は先生の鏡だけど、先生のいいところ−美しい上体の動きや柔らかな腕の動き、あざやかな足さばきなどを、しっかり映しているのが二重丸。
そしてそれに続くラゴス兄弟のソロも、ソリストらしい素晴らしさ。
アルフレドがエル・フラメンコで弾いてたのは20年前。
ダビが歌っていたのはそのあとだが、いやいや、すごいプロになったものだ。

そしてシギリージャ。
モライートの世界一のシギリージャを踊るという贅沢な一曲。
バタ・デ・コーラにカスタネット。
歌をゆっくりしっかりマルカールし、
伝統への敬意を現した。そのかたちの美しさ。
一人で、パコ・デ・ルシアやホアキン・コルテスも立ったあのゆうぽうとの舞台を
いっぱいにしてしまう。
大きな舞台をめいっぱい大きくつかってきちんと踊る。オレ!
黒いバックに黒い衣装なので、照明はもう少し明るめでもよかったかな、とも思うし
せっかくモライートが弾いているのにミュージシャンのあかりも暗めなのはもったいない。

ディエゴがゆっくりとロルカ最終のスペイン民謡をうたいはじめる。。。
デバホ・デ・バホ・デ・ラ・レチューガ…
パケーラも歌っていた言葉遊びうた。。。
そしてはなやかなアレグリアスへと流れていく。
バタ・デ・コーラの群舞から石井のバタのソロ、
通常の衣装での群舞で石井が再び登場、とそれこそ魔法のようにかたちをかえていく。
ゆうぽうとという大舞台で、きれいに群舞を動かす、というのは
一人であの大きな空間をアルテでいっぱいにするのと同じくらいに難しいのだけれど
そのどちらも見事にこなしているのがすごい。

ミュージシャンたちによるタンゴ(タンゴ・デ・マラガ風からタンゴ・デ・トリアーナ風にいくという、ちょっと面白いもの)をはさんで
ディエゴと石井が子守唄、アラエアで共演。
群舞も入って全員での楽しいシーン。
いや、これ、ほんと、ヘレスの人にもみてもらいたいよ。
フラメンコは楽しい。フラメンコはすごい。
フラメンコは国境を越えるのであります。

アンコールのブレリア。
次々に飛び出てはひと踊り。
一人一人の踊りがめっちゃ短いのもよく、
モライートの伝説的なブレリアもさることながら、
ディエゴの小さな動きの思わずオレ!

というわけで楽しい気分で今年も劇場をあとにしたのでありました。

ブレリアに頼らずともヘレスらしさいっぱいの舞台。
石井は去年、今年とこの大舞台で確実に階段を上がったに違いない。
次に何をみせてくれるのか。楽しみなことである。











2010年11月5日金曜日

コルドバのコンクール

いよいよ8日から予選開始のコルドバのコンクール。
第1回の開催は1956年だが、3年に1回の開催なので、
今年で第19回。
これまでは5月に開催されていたのが、今年から秋、11月の開催となった。
カンテ、バイレ、トーケの3部門、
カンテに109人、バイレに40人、ギターに18人の計167人が参加する。
今年から多彩な曲をこなさねばならず、
また応募資格は50歳以下になったが応募者は例年通りに多かった。

ちなみに予選は13日までで、
20日から23日までは決勝。
27日が授賞式。

決勝の審査員は
ギターがマノロ・サンルーカル、セラニート、ホセ・アントニオ・ロドリゲス
カンテがフォスフォリート、カリスト・サンチェス、アルカンヘル、
バイレがインマクラーダ・アギラール、ハビエル・バロン、アントニオ・エル・ピパ
とのこと。

また、コンクールだけでなくフラメンコ公演も開催。
11/17(水)21時「エル・ドゥエンデ・イ・エル・レロホ」
[出]〈b〉ハビエル・ラトーレ舞踊団
11/19(金)21時「ラ・ボス・デル・コロール」
[出]〈g〉マノロ・サンルーカル
11/24(水)21時
[出]〈c〉ホセ・メルセ、エル・ペレ、〈ピアノ〉ドランテス
11/26(金)21時「デ・フラメンカス」(新作初演)
[出]〈b〉マルコ・フローレス

ほかに写真展やCD新譜発表会なども開催される予定。
11月、フラメンコはコルドバで!

2010年11月4日木曜日

エル・テスティーゴ

カディスはチクラナ生まれの詩人、フェルナンド・キニョネス
80年代にフラメンコ番組の司会をもつとめた彼は
1998年に亡くなったが
その作品、想像の歌い手ミゲル“エル・パンタロン”の人生を描いた
「エル・テスティーゴ」が、俳優エル・ブルホの手で一人芝居となり
10月15日セビージャ、セントラル劇場で初演され、
11月4日から14日まではバレンシア、サラ・オリンピアで公演中。

スペイン内戦前後、
1930〜40年代のカディスの雰囲気を色濃く現しているこの作品は
アンダルシア演劇センターの制作で、
17日はコスタリカ、19、20日はパナマで公演。
26〜28日はスペインに戻ってアリカンテ
12月4、5日はバジャドリードのソリージャ劇場で公演予定とのこと

2010年11月2日火曜日

ホアキン・コルテスに芸術金メダル

今年度のスペイン、芸術功労金メダルを
アナ・ラグーナ(コンテンポラリーダンサー)とともに
ホアキン・コルテスが受賞。

授賞式は11月3日、ヘレスで皇太子夫妻を迎えて行われる。

2010年11月1日月曜日

セビージャ ダンス月間

以前、ご紹介したセビージャ・ダンス月間、メス・デ・ダンサ
まっさかりのセビージャ。
昨日、10月31日には、
元アントニオ・カナーレス舞踊団のメンバーらによって1996年に設立された、
フラメンコ系現代舞踊のカンパニー、アリエリートスが
「デスピデテ・デ・ティ(カルメン)」を上演した。


なお、開幕を飾ったイスラエル・ガルバンの「ソロ」
その練習風景と、作品を語るイスラエルのビデオはこちらで。

2010年10月30日土曜日

セビージャのライブハウス カハ・ネグラのフラメンコ・ライブ

セビージャはアラメーダ地区、
アラメーダ劇場のすぐそば、フレサ通りにあるライブハウス、カハ・ネグラ。
スペイン語でブラックボックスというその名前同様、
何が飛び出すのかわからない、不思議な空間。
テレビ関係者なども数多く出入りしてるし、
え、あの人が?っていうような有名ミュージシャンが飛び入りジャムセッションすることも。

そんな店で先月から定例のフラメンコ公演がはじまった。
題してフラメンコの夜。

毎週月曜日22時からで、11月の公演は
11/8
[出]〈b〉ロシオ・ロペス、〈c〉クリスティーナ・ソレール、〈g〉フラン・ゴメス
11/15
[出]ロレンソ・モントージャのクアドロ
11/22
[出]〈b〉マリア・タボラ、マヌエル・ゴンサレス、〈c〉アナ・レアル、クリスティーナ・ロドリゲス、〈g〉フアン・マリア・レアル、〈perc〉ハビエル・プリエト。

入場料は3〜5ユーロとお手軽です。


2010年10月29日金曜日

トレロドネスのフラメンコ祭

第7回トレロドネス・フラメンコ祭が
11月20日から、マドリード郊外トレロドネスのブルバル劇場を舞台に開催される。

プログラムは以下の通り。
11/20(土)「パブロ・デ・マラガ」
[出]〈c〉エンリケ・モレンテ
11/23(火)、24(水)
[出]〈b〉マリエンマ王立舞踊学校
11/25(木)
[出]〈b〉アモール・デ・ディオスフラメンコ学校
11/26(金)
[出]〈b〉ラ・モネータ、〈c〉エンリケ・エストレメーニョ、〈g〉ミゲル・イグレシアス
11/27(土)
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ

デモフィロ フラメンコ賞

マチャード財団による、第9回フラメンコ芸術“デモフィロ”賞の受賞者が発表された。

今年の受賞はヘレスのバイラオーラでフラメンコ教師のアンヘリータ・ゴメス。
ほかにフラメンコ遺産賞は、セビージャでのフラメンコ・コンサート・シリーズ、
フエベス・フラメンコスや、写真展“フラメンコ・プロジェクト”を主催している
カハソル銀行の社会事業部に

催し賞はヒラルダ・テレビシオンの番組「ビエナル・ポル・メディオ」と
ウエルバで開催された「ニーニョ・ミゲルへのオマージュ」に
そして特別賞はフラメンコのコミック「ヘルンディーノ」におくられた。

2010年10月27日水曜日

アバネラ・フラメンカ

マドリードのジャズ・フェスティバル“ジャズ・マドリ”
その一環として
エンリケ・エレディア“エル・ネグリ”のコンサート
“アバネラ・フラメンカ”が開催。

11月13日21時から
コロン広場のフェルナンド・フェルナン・ゴメス劇場。

共演は
トランペットのジェリー・ゴンサレス、
パコ・デ・ルシアのグループのベーシスト、アライン・ペレス、
ギターにアグスティン・カルボネル“エル・ボラ”
パーカッションにバンドレーロ

それに加えて
ゲストも
エストレージャ・モレンテ、
アントニオ・カルモナ
アルカンヘル
マリア・トレド
と豪華なメンバー。

入場料は18ユーロ


ちなみに同じタイトルでDVDも発売とか
コンサートに行けない人はこっちで楽しみましょう

2010年10月26日火曜日

ダビ・モラーレス マドリ公演

カディス県ラ・リネア出身のバイラオール、ダビ・モラーレスが
その作品「エル・インディアーノ」で
マドリード公演。

会場はマドリードの目抜き通り、グラン・ビアを北に少しあがったところにある

公演日は
10月26日
11月9日
11月30日
12月7日
12月28日
のいずれも21時からで
入場料は15ユーロ。




2010年10月23日土曜日

ビエナル ヒラルディージョ賞発表

第15回ビエナル・デ・フラメンコで行われた公演の中から
とくによかったアルティスタ、公演におくられるヒラルディージョ賞の
受賞者が10月22日発表された。

受賞者は以下の通り。

カンテ;パンセキート
バイレ;イサベル・バジョン
トーケ;フアン・カルロス・ロメーロ
マエストリア;モライート
新人賞;ダビ・カルモナ
革新賞;パストーラ・ガルバン
作品賞;「ドゥーナス」
演出賞;フアン・ルエスガ(エバ・ジェルバブエナ「クアンド・ジョ・エラ」)
振付賞;ルベン・オルモ
音楽賞;「ラ・パシオン・セグン・セ・ミレ」
魔法の瞬間;「ラ・パシオン・セグン・セ・ミレ」でのアンドレス・マリンとコンチャ・バルガス
音楽賞;ルノー・ガルシア(ドランテス「シン・ムーロス」での演奏/コントラバス)
舞踊伴唱;ホセ・バレンシア
伴奏;アントニオ・カリオン
審査員特別賞;ミゲル・ポベーダ
名誉賞;パコ・デ・ルシア

2010年10月22日金曜日

バジャドリードのフラメンコ

その昔、城選手が所属したサッカーチームがある、バジャドリード。
フラメンコとは一見、縁のなさそうなカスティージャの町だが、
フラメンコ舞踊の歴史にその名を残す、ビセンテ・エスクデーロはこの町の出身。
観光案内所を出て右手に少し行くと、
彼の銅像が立っているし、
この町の公立部要学校にもその名を残している。

その町で、11月4日、フラメンコ公演が行われる。
マジョール広場のソリージャ劇場のサラ・エクスペリメンタルで
21時から行われる「フラメンコ・アル・オイド」と題されたリサイタルの主役は
カネラ・デ・サン・ロケ。
芸名通り、カディス県サン・ロケ生まれの歌い手だ。
ペリーコのアンソロジーにも参加している名歌手、ハリートの親戚で
アントニオ・マイレーナの影響を多大に受けた歌い手だ。
ギター伴奏は、自らも歌う(日本でCDを録音している)ギタリスト、
アントニオ・カリオン。
また今年、ラ・ウニオンのコンクールに出場した息子のカネラ・イーホも共演する。

フラメンコを愛するのはアンダルシア人だけではもちろんないのである。

2010年10月21日木曜日

カディスのフラメンコ学会の賞

ヘレスのフラメンコ学会がおくる
プレミオ・フラメンコ・ホーベン、
フラメンコ青少年賞。
2007年はダビ・パロマール、
2008年はエンカルニータ・アニージョと、
地元出身の歌い手が受賞してきたが、
2009年度の今年の賞からは舞踊、カンテ、ギターの三部門となり、
舞踊はフアン・ホセ・ハエン・アロージョ“エル・フンコ”
カンテがマリア・デル・マル・フェルナンデス・リベロ“マイ・フェルナンデス”
ギターがビクトル・マヌエル・ロサ・ガジャルド“ビクトル・ロサ”の受賞が決定。

授賞式は12月1日、カディスのラ・メルセ・フラメンコ・センターにて
同センターでの、学会におるフラメンコ学校の卒業式のときに
行われる予定という。

2010年10月20日水曜日

ティオ・ボリーコ生誕百周年


1910年へレス生まれ。
本名グレゴリオ・マヌエル・フェルナンデス・バルガス。
1983年にこの世をさるまでヘレスの町からあまりでることもなかった彼。
フラメンコらしいしわがれ声でうたう見事なフラメンコの録音は
決して多くはないが、
そのどの録音もすばらしく、今もおりにふれては聴きたくなる、
私のお気に入りの1枚のひとつ。


そのティオ・グレゴリオの生誕百周年記念コンサートが
10月22日にヘレスのビジャマルタ劇場で行われることは以前に書いたが、


その翌日、10月23日11時30分より
ヘレスのアンダルシア・フラメンコ・センターで
ヘレスの老舗、ラジオ・フラメンコ番組「ロス・カミノス・デル・カンテ」
インターネットを通じて24時間フラメンコを流すラジオ局フラメンコラジオ.コムとが
共同で、ティオ・グレゴリオ“エル・ボリーコ”生誕百周年特別番組を放送する。
ティオ・ボリーコを直接知る、ホセ・マリア・ベラスケス(伝説のフラメンコ番組「リト・イ・へオグラフィア・デル・カンテの司会者)やマヌエル・リオス・ルイス(ヘレス出身のフラメンコ学者)、ディエゴ・カラスコらが出演し、彼の人生とアルテについて語る予定。なお、

その後、14時からは センターからすぐのところにある、
ペーニャ・ドン・アントニオ・チャコンにおいて
「ティオ・ボリーコの百年」とだいしたCDブックの出版記念会が開催されるとのこと。


今年生誕百周年を迎える歌い手にはラファエル・ロメーロもいて
つまり二人は同い年というわけだ。
そのラファエル・ロメーロの記念の催しはその翌週に行われる予定。

2010年10月19日火曜日

11月26日から12月5日まで
マドリード市北部の新市街にあるマドリード劇場で
スペイン国立バレエ団による
「エル・コラソン・デ・ピエドラ・ベルデ」公演が行われます。

同バレエ団芸術監督ホセ・アントニオの振付けによるこの作品は
2年前に初演されたもので
南米を舞台に、大掛かりなセットでみせるものです。

えっ!
という場面もあり、これまでのスペイン舞踊とはおもむきを異にしたこの作品、
前回見逃した人はぜひ足を運んでくださいまし

2010年10月17日日曜日

バエサのフラメンコ ペーニャの季節

世界遺産の町、ハエン県バエサ
この町のペーニャが主催する第11回オトーニョ・クルトゥラル・フラメンコが
10月22日からの毎週末、ペーニャを舞台に開催される。開演は22時。

出演は
10/22(金)〈c〉モレニート・デ・イジョラ、〈g〉パコ・ハビエル・ヒメノ
10/29(金)〈c〉ニーニョ・デ・オリバレス、〈g〉マヌエル・フローレス
11/5(金)〈c〉アントニオ・パトロシニオ、〈c〉パトロシニオ・イーホ
11/12(金)〈c〉ビルヒニア・ガメス、〈g〉アンドレス・カンシーノ
11/19(金)〈c〉ロシオ・セグーラ、〈g〉パトロシニオ・イーホ
11/26(金)〈c〉ホセレーテ・デ・リナーレス、〈g〉フェルナンド・コントレーラス

ペーニャはフラメンコ愛好会。
会員の会費によって運営されているので基本的に会員優先だが
一般も入ることができる公演も多い。

これからの季節、秋から冬にかけてはペーニャのシーズン。
10月1日から12月まではフラメンコ振興公社が後援するコンサートも
アンダルシア各地で開催中。
今回は生誕百周年を迎えたラファエル・ロメーロ“ガジーナ”に捧げられ、
アルメリアとグラナダで9回ずつ、ウエルバで11、ハエンで14、マラガで16、
カディスとコルドバで19回ずつ、セビージャで23回、計120回の公演が行われるとか。

2010年10月16日土曜日

フラメンコ・ドキュメンタリー・コンクール

昨日書いたカルダモモの財団の主催で
フラメンコのドキュメンタリーのコンクールが開催中です。
名付けて「トマ・フラメンカ」応募要項はウエブにありますが、
ビデオ/映画のDVD2枚を
11月15日までに送付のこととあります。
優勝賞金は3000ユーロ
子供向け作品は2000ユーロ
7分までのみにドキュメンタリーは1500ユーロだそうな。

先のフラメンコ短編映画コンクールには
日本からの申し込みはなかったそうですが。。。

ちなみにこのコンクールと並行して
毎週土曜日17時からははこどもむけのフラメンコ公演が行われており
そこからニカラグアのこどもたちの支援金がおくられているそうです

2010年10月15日金曜日

ディエゴ・アマドール・トリオ マドリード公演

先のビエナルで、ラ・モネータ公演にゲスト出演していたディエゴ・アマドール。
本業?はフラメンコ・ピアニストだけど
歌も歌えばベースやギター、パーカッションもこなすというマルチなタレントの彼の
今度のコンサートはトリオで。

11月1日と2日の2日間、いずれも23時からの開演です。

また11月10日の23時からは
フラメンコ・ベースの生みの親、カルロス・ベナベンと
元ケタマのギタリスト、ホセミ・カルモナのデュオ公演も

会場はいずれもマドリードのタブラオ、カルダモモ

ここ、昔はフラメンコのかかっている飲み屋だったのですが
ライブをはじめるようになったかと思うと、
いつのまにかタブラオに。
ふだんはマドリード在住の踊り手たちが出演しています。

しかしこのポスターだけみるとまるで3人が共演するかのよう。
だったらもっとうれしいのですけどね。



ちなみにカルダモモのあるエチェガライ通り近辺には
かつてカフェ・カンタンテなどもあった昔からの
マドリードのフラメンコのメッカ。
アルティスタとすれ違うことも珍しくありません


2010年10月14日木曜日

カニサーレス新譜発表記念コンサート

10月15日21時から
マドリードのコレヒオ・マジョール・サン・フアン・エバンリスタ
(サン・フアン・エバンへリスタ大学寮講堂)において
フアン・マヌエル・カニサーレスの新譜
「クエルダス・デル・アルマ」(魂の弦)
発表コンサートが開催されます。

前売りはこちら

入場料は15ユーロです。

2010年10月13日水曜日

ビエナル総括 その2

昨日、ビエナル総括を書いたあとアンダルシアの放送局、
カナルスールのラジオ番組でビエナルの特集をするということで
よばれてでかけていきました。

テーブルにはパーソナリティーであるヘスース・ビゴーラと
ディアリオ・デ・セビージャ紙のフアン・ベルヒージョ、
ABC紙のアルベルト・ガルシア・レジェス、
フラメンコラジオ・コムのフェルナンド・ゴンサレス・カバジョ、
ディアリオ・デ・セビージャ紙の舞踊評論家ロサリア・ゴメスと私、
そして電話でエル・ムンド紙のマヌエル・マルティン・マルティン、
エル・パイス紙のフェルミン・ロバトン、
と7人のフラメンコの専門家がそろいました。

で、結果。
やっぱり圧倒的な人気はパストーラ・ガルバンの「パストーラ」
ヘレスで観たフェルミンと私はみてなかったけどその素晴らしさは知っているわけで。
歌のダビ・ラゴス、ホセ・バレンシア、ギターのラモン・アマドール、パルマのボボーテ、
と、出演者全員を絶賛。

パコ・デ・ルシアについてはコンサートの評価はわかれたものの
その存在、その価値についての評価はもちろん全員一致。
ギターではやはりフアン・カルロス・ロメーロと、
エバ・ジェルバブエナの作品の作曲者であるパコ・ハラーナの評価が高く、

カンテでは、マリナ・エレディアが高い評価を得ていました。
この公演も私はみることのできなかったのですが、ここで踊ったファルキートは
自分の作品とは全くちがって、いつもの実力を思う存分発揮したとのことです。
またパンセキート(これも私は観てない)やトレメンディータの名もあがりましたし、
モライート作品でのトルタやオテル・トリアーナでのランカピーノ、カイータなども。

バイレはパストーラ以外に、イサベル・バジョン、そしてエル・ペレグリーノ。
いいものはやっぱりいい!
エバの作品については意見がわかれたものの、それはいつものことでもあり、
彼女自身がそれを望んでいるともいうし、彼女の踊り手としての存在にはゆるぎなく…。
いろんな意見が自由にとびかった、楽しい1時間でした。


期間の長さ、作品及び公演の数からいっても
世界最大のフラメンコ・フェスティバルではありますが、
オーガナイズはヘレスの方が上、という意見も全員一致。。。
ヘレスはその気になれば全公演みることができるけどビエナルはそれができない。
っていうのが大きいのかな?

ヘレスのプログラムもそろそろ発表されることでしょう。

2010年10月12日火曜日

ビエナル総括

2010年第16回ビエナル・デ・フラメンコ。
さまざまなコンサートをみてきた25日間。

今年も前回と同様、同じ時間に違う場所で違う公演が行われ、
全ての公演をみることはかなわなかった。
基本的に、ヘレスなどですでに観た作品ははずし、
舞踊公演を中心にみてきた私の印象に残った作品をあげてみよう。


まずはマリア・パヘスと現代舞踊のシディ・ラルビ・シャルカウイ「ドゥーナス」
作品としての完成度が最も高く、音楽も、照明も、振付けもすべてがこよなく美しい。
フラメンコ・フラメンコなものを求める人にはむかないが、
舞台芸術を愛する人すべてに観てもらいたい作品。


フラメンコ舞踊で印象に残ったのはみっつのファルーカ
ルベン・オルモが踊ったイスラエル・ガルバン振付けによる、
バグパイプ伴奏でのユーモアあふれるファルーカ。
ハビエル・バロンの、バイオリンとキューバの楽器トレス伴奏の
美しい音楽が印象的なファルーカ。
ラファエラ・カラスコのチェロ伴奏による、
古典的な振付けを取り入れながらも男性風にではなく女性的に踊ったファルーカ。
そしてラファエル・カンパージョの伝統的な男性ならではのファルーカ。
それぞれのファルーカはそれぞれに美しく心に残る。


ラファエル・カンパージョのマノロ・ソレールへのオマージュは、
ラファエルのマノロへの思慕にあふれ、また、
あくまでも男性的で、ムイ・フラメンコなバイレでわたしたちを魅了してくれた。
またイサベル・バジョンのタンゴやガロティンも伝統的かつ現代的で素晴らしかった。

各紙の評論家がそろって今年のビエナルのベスト作品のひとつに名をあげる
パストーラ・ガルバンの「パストーラ」は、仕事の関係で観ることができなかったが
初演をみているので、批評家諸氏の言う通り、すばらしい舞台だったに違いない。
こちらは最初から最後まで骨の髄までフラメンコ。
おきゃん、という言葉が似合いそうな、下町ちゃきちゃきフラメンカなパストーラが
フラメンコのエッセンスそのもののようなラモン・アマドールのギターと
ダビ・ラゴス、ホセ・バレンシア、実力派カンタオールのカンテと
ボボーテのコンパスで踊りまくる1時間半。観ることができなかったのが残念でならない。

そのほかにもオテル・トリアーナでの、
エストレマドゥーラの夜のエル・ペレグリーノという老バイラオールの粋さ、


レブリーハの「ネグロ・コモ・エンドリーナ」でのコンチャ・バルガス、
「エンサジョ・イ・タブラオ」でのマノロ・マリンやアンヘリータ・バルガスも素晴らしかった。

カンテやギターの舞台はあまり観ることができなかったが
ギターでは歌や踊りに頼ることなく真っ正面から勝負したフアン・カルロス・ロメーロ、

カンテではやはりエストレマドゥーラの夜での
ラ・カイタやアレハンドロ・ベガのベテラン陣によるクアドロ、
オテル・トリアーナでの「カディス・エテルナ」でのランカピーノ、
エストレージャ・モレンテのソレアといったところだろうか。
舞踊伴唱ではダビ・ラゴス、ミゲル・ラビらが印象に残る。
また「ヘレス、ラ・ウーバ・イ・カンテ」でのあのコンパス!
あんなに気持ちのいいコンパスがあれば誰でも踊りだしたくなるというものだ。


メタモルフォシス、ではないが、
踊り手が歌い弾き、歌い手が踊るといったシーンが多くみられたことも今年の特徴だろう。
ファルキートは歌をギター伴奏し、アンコールで歌い、
イサベル・バジョンやラファエラ・カラスコも歌ったし、
アルカンヘルはギターを弾き、
ミゲル・ポベーダやエストレージャ・モレンテ、アントニオ・カンポスは
フィン・デ・フィエスタではない場面で、少しとはいえ踊ってみせた。
これまでにもハビエル・バロンの「ディーメ」で
フアン・ホセ・アマドールらが踊ったりしたこともあるし、
なにも新しいことではないのだが、
こんなにもたくさんあったのははじめてでは?

また、現代舞踊や演劇とのコラボレーションもさらにすすみ、
先にあげた「ドゥーナス」のほか、
演出家による演出のあるロシオ・モリーナやハビエル・バロンの作品、
「アレハンドリア」「ラ・グロリア・デ・ミ・マドレ」のような
演劇的な作品もあった一方で、伝統への回帰とでもいうような、
エストレージャ・モレンテのマンドリン伴奏でのサンブラや
マヌエラ・バルガスへのオマージュのルベン・オルモ、
ピラール・ロペス風に踊ったラ・チョニ、
パストーラ・ガルバンのトリアーナ風タンゴなどもあった。

その反面、カオスとでもいうべき混乱に陥ってしまったものもある。
盛りだくさんすぎる内容で、
せっかくの素晴らしいカンテが二の次になってしまいがちだったミゲル・ポベーダの開幕公演。
作品、というものを意識しすぎたのか、彼自身の踊りが少なく不満が残ったファルキート…
いずれもアルティスタ自身にありあまる才能があるだけに残念だ。

それにしても長い公演がおおかった。
開幕ガラは3時間。
閉幕ガラのパコ・デ・ルシアは休憩をはさんでいるとはいえ、
8時半開演で終演は11時過ぎ。
ほかにもドランテス、ラ・モネータなど、2時間にわたる長い公演が多すぎだ。
あれも、これも、という気持ちはわからないではないが
観客の集中力も考えて1時間半くらいまでがよいのでは?

さて2年後は誰がどんな作品をみせてくれるのだろうか。

2010年10月11日月曜日

ビエナル閉幕 パコ・デ・ルシア

ビエナル閉幕公演 パコ・デ・ルシア アップしました

ビエナル・デ・フラメンコも終了

毎夜の公演のフラメンコ三昧
楽しいけれど疲れました。

今年のビエナルはユーロ高だった一昨年に比べると日本人も増えていたような。

なんかいろいろありすぎてひとつにしぼるのはたいへんだけど
いいものもたくさんみることができました。

いいフラメンコをみることが何よりの心の栄養。
肉体的にはハードだけど
(などといったら朝お稽古して夜公演観に来ている練習生に申し訳ないけど)
たくさんみることで、目もこえて、自分の好みもはっきりしてくるかな。

明日はビエナル総括なども書いてみようと思っておりまする。


しかし、パコ、すごかった。
なお、セビージャ公演の直前にもマドリード、ムルシア、サラゴサと公演が追加されたように
このあとも10月23日にはサラマンカ、
11月13日にはパンプローナ、
11月24日にはビルバオ
11月27日にはジローナ
12月6日にはバジャドリード、
その合間にスエーデンをはじめウィーン、パリ、ロンドン、イタリアなど
欧州各地で講演予定です。
詳しくはこちらで。


写真は昨日のリハーサルです。